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2022年12月21日
バングラデシュとカンボジアを訪問しました(2022年11月14~18日)
現地の無形文化遺産保護の状況を理解し、IRCIとの連携事業の進捗について確認する目的で、IRCI所長・岩本渉と研究担当室長・野嶋洋子の2名が2022年11月14日から18日にかけてバングラデシュとカンボジアを訪問しました。
バングラデシュでは、14日にIRCI事業 「新型コロナ感染症の無形文化遺産への影響に関する調査研究」のもと、新型コロナウイルス感染症による無形文化遺産の実践と継承への影響について現地調査を行っているサイモン・ザカリア氏(バングラアカデミー)とその調査チームとともにマニガンジ県のバウル・コミュニティを訪問しました。マニガンジ県は彼らの調査地域のひとつであり、IRCIはバウル実践者とのグループ・インタビューに参加する貴重な機会を得ました。また翌日には、岩本・野嶋両名が、ババナガラ財団(Bhabanagara Foundation)が毎週行っている伝統音楽の実践者と研究者らが集うサドゥサンガ(Sadhusanga)に招待を受け参加しました。
極めて短いダッカ滞在でしたが、「無形文化遺産の持続可能な開発への貢献に関する研究-教育とまちづくり」事業(2020~2021年度)に協力したダッカ・アサニア・ミッションや、「無形文化遺産保護と災害リスクマネジメントに関する調査研究」事業に現在参加しているダッカ大学のサイファ・ラシド氏らを訪れ、IRCI事業の状況やその後の展開、今後の協力などについて情報を交換しました。
カンボジアでは、17~18日にアプサラ・ナショナル・オーソリティのイム・ソクリティ氏と彼の調査チームとともに、彼らが現在、IRCIの「無形文化遺産の持続可能な開発への貢献に関する研究-持続可能なまちづくりと無形文化遺産」事業で予備調査を行っているアンコール地域のコミュニティを訪れました。ユネスコ・プノンペン・オフィスも訪問し、カンボジアで実施している本事業について情報共有し、助言を求めました。
IRCIとしてバングラデシュとカンボジアを訪問するのは初めてのことでした。今回の訪問は、両国における協力関係を強化するだけでなく、調査対象地域を訪問し、コミュニティや現地研究者と直接に交流を図ることが、事業を運営していく上で重要であることを再確認する有意義な機会となりました。
バウルの実践者とのインタビュー、バングラデシュマニガンジ県
サドゥサンガイベントでスピーチするIRCI所長
シェムリアップにて伝統的ゴザ作りの継承者を訪問(写真提供:APSARA)