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2021年12月16日

無形文化遺産のSDGsへの貢献に関するワークショップ:インドネシア

IRCIは2021年11月4日(木)、インドネシアのクラテンにて、デウィ・フォルトゥナ・コミュニティ・ラーニング・センター(DFCLC)の協力のもと、「クラテンにおける質の高い教育と持続可能なコミュニティ開発に向けたケトプラックの役割」と題したワークショップを開催しました。IRCIはオンラインでこのワークショップに参加しました。このワークショップは、無形文化遺産、SDG 4(質の高い教育)とSDG 11(住み続けられるまちづくりを)の関連性、および教育とまちづくりにおける無形文化遺産の役割について考える「無形文化遺産の持続可能な開発への貢献に関する研究―教育とまちづくり」事業*1の一環として開催されたものです。

ワークショップには、調査対象となった学校の校長、フォーマル・ノンフォーマル教育に携わる教師、ケトプラック実践者、地域住民、ジャーナリストや地方行政官などが参加し、意見交換を行いました。

議論の中では、グローバル化によって、ジャワの伝統的劇場芸能であるケトプラックのような貴重な地域文化が失われつつあることへの懸念が表明されました。参加者からは、IRCIとDFCLC による調査を機に、政策立案者に対して、若者世代の人格教育にケトプラックが有効であることに注意を払い、政策を通してクラテンを「ケトプラックのまち」とするための支援について、活発に議論してほしいとの声が寄せられました。学校長や教師などの教育者からは、学校教育に、例えば課外活動としてケトプラックを取り入れてほしいといった要望があったほか、ケトプラックと密接に関わる地域言語の習得の重要性についても言及がありました。更に、ケトプラックを使用した成人向け教育の手法が、コミュニティの活性化に有効であることも認識されました。こうした意見をうけ、教育局はクラテンの小中学校において無形文化遺産を取り入れた教育を強化することを示唆し、文化観光局は、政策を立案するためクラテン地域と協力していく意向を示しました。ケトプラック実践者は、学校でケトプラックの価値を教えることに意欲を示し、芸術評議会は、教育、人々の参加促進、創造的経済に効果のある地域の芸術文化、特に失われつつあるケトプラックを保護・推進していくよう、地域住民に促しました。

このワークショップの成果は、2021年12月22日に開催する国際シンポジウムにて共有されます。

*1: 本事業は、令和3(2021)年度文部科学省委託事業「ユネスコ未来共創プラットフォーム事業」により実施しています。

関連サイト

1. 本ワークショップに関する新聞記事

2. 本ワークショップを紹介する動画

3. DFCLCによるフォーカス・グループ・ディスカッションで行われたケトプラック実演に関するMedia Indonesiaの記事

 

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