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2022年1月24日

無形文化遺産のSDGsへの貢献:専門家会合と国際シンポジウムを開催しました

アジア太平洋無形文化遺産研究センター(IRCI)は、2年間の事業「無形文化遺産の持続可能な開発への貢献に関する研究–教育とまちづくり*」を総括するため、2021年12月21-22日の日程で専門家会合と公開シンポジウムをオンライン開催しました。初日の専門家会合では、連携協力機関の専門家や研究者らと2年間の事業のまとめとなる議論を行い、2日目の公開シンポジウムでは、事業成果を広く一般に公開しました。

専門家会合には、バングラデシュのDhaka Ahsania Mission (DAM)、インドネシアのDewi Fortuna Community Learning Center (DFCLC)、キルギスタンのTaalim-Forum Public Foundation (TFPF) の専門家、以前のSDGs関連事業で協力したフィリピン、ベトナムの専門家、ユネスコバンコク事務所の専門家、リソースパーソンとして教育や文化遺産が専門の国内専門家など15名が出席しました。バングラデシュのDAMは、伝統的な民族舞踊・歌唱であるダマイルの都市部と農村部における実践について、インドネシアのDFCLCは、伝統的な劇場芸能ケトプラックのノンフォーマル教育とコミュニティ開発への貢献について、キルギスのTFPFは、遊牧民の伝統的住居であるユルトづくりおよび関連する知識や技術の保護・継承のための地域博物館の役割について事例報告を行いました。その後、参加者全員で、無形文化遺産と教育およびコミュニティの関連性、また無形文化遺産を保護しつつ、SDGs達成に活用していく上での今後の展望や課題について総括的な議論を行いました。またフィリピンとベトナムの専門家からは、2019年に終了した前事業における活動のその後の展開について報告がありました。

公開シンポジウム「無形文化遺産の貢献~より良い学びと持続可能なまちづくりにむけて~」では、バングラデシュ、インドネシア、キルギスの3NGOによる事例研究報告に加え、無形文化遺産、教育、コミュニティに関連した日本の取り組みについて、大阪府立大学、聖徳学園中学・高等学校、北海道大学、山形市立千歳小学校、日本青年会議所から報告がありました。発表者や事業関係者に加え、主にアジア太平洋地域から44名の一般視聴がありました。参加者は教育やまちづくりにおいて無形文化遺産を取り入れる際の課題について活発な議論を行いました。また本シンポジウムは、日本の若い世代にとって、無形文化遺産保護とSDGsについて学び、国際的な専門家や研究者と交流する機会となりました。

専門家会合と公開シンポジウムの成果については、3か国のNGOによる事例研究報告とあわせて事業報告書にまとめ、IRCIのウェブサイトにて公開する予定です。


*本事業は、令和3(2021)年度文部科学省委託事業「ユネスコ未来共創プラットフォーム事業」により実施しています。

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